ライチ☆光クラブ 映画、新旧舞台、(漫画) を交えて感想+微ネタバレ
ライチ☆光クラブ(映画)
今回紹介させていただくライチは、ネタバレしてしまうと、楽しみを完全に奪ってしまう作品の為、映画、新旧舞台、漫画を比べ微量なネタバレをしつつ、感想を述べさせていただきます。
映画キャスト:
タミヤ:野村周平、カノン: 中条あやみ、ライチ:杉田智和(声の出演)
ニコ: 池田純矢、雷蔵: 松田凌、ヤコブ :岡山天音、デンタク: 戸塚純貴
ダフ:柾木玲弥、カネダ: 藤原季節
少年達の、愚かしくも残酷で未熟な物語。
-若干のネタバレを含みます。ネタバレ不可の方は以降読まないように。-
【満足度-10点満点】
◆漫画:10点
◆映画:6点
◆旧舞台:5点
◆新舞台(残酷歌劇版):9点
【映画感想】
◆ストーリー:
おふざけはなく、真剣にライチと言う作品を、映画として作ろうとした作品でした。
事前に残酷歌劇さえ見なければ無ければ、結構良い満足度で点がつけられたと思うほど、悪くはない出来でした。俳優・配役の不安視されていた部分も、いざ蓋を開ければまったく問題ない。
万人に進められる作品では無いですが、グロテスクが大丈夫な女性にはお勧めな作品です。
ライチ☆光クラブは、少年が残酷な事をするタブー。世間体的には人に見せられない内容のタブー。同性愛(愛までいかないけど)のタブー。映画企画の許可がよくおりたな、と思われる内容の原作の為、舞台はまだしも、映画は無理だろう。どうせ失敗すると思っていたので、見終えて感動しました。
ただし、
①ゼラが帝王を目指す動機、②カノンとライチの交流、③タミヤの衝動に移るまでの軌道は納得できませんでした。
この作品は、少年達の残酷な物語でもあるが、カノンとライチ(人間と機械)の恋のストーリーでもあったのに、ゼラとジャイボに焦点当てすぎて、尺が足りてない。
①ゼラが帝王を目指す動機:確かにゼラの動機は、細かく描く必要なかったのかもしれません。描かないと描かないでゼラが、初めから狂ってる人に見えるてしまう。実はゼラが愚かしく可哀想な子という、原作では同情しうる部分が省かれてしまっているので、原作ファンから見ると、なんとも言いがたい感じになります。
②カノンとライチ:カノンがライチに惹かれるまで。ライチがカノンにより心を手に入れるまで。が、凄い尺足らず過ぎて、いつのまにか、カノンがライチ好きよって言ってる。ライチがいつの間にか心を手に入れ、カノンを好きになってる、ストーリーを進めるために急展開。
原作未読だとキャラの心情の展開に完全に置いてけぼりを食らうと思う。
原作のカノンは、浮き世離れ、変わり者なので、ライチとの恋模様に納得ができるのです。
ですが、映画のカノンは意外としっかり者、普通の子なので、
・え?なんで、そんな怖い見た目のロボ好きになったん?うた一緒に歌ったから?
・ぇ?なんで、ライチいきなり人間っぽくなったん?うた一緒に歌ったから?
と、疑問に思ってしまいました。
そして、ここを問題となるのは、その数ヶ月前に見た舞台:残酷歌劇ライチ☆光クラブの出来が良すぎて、私の鑑賞のハードルがあがってしまった事が最大の原因だと思います。(後ほど残酷歌劇の感想も少々)
③タミヤの衝動:タミヤがゼラを裏切り、ライチ☆光クラブの物語は終焉へ動いていくのですが、上でも記載したところと同じです。ゼラとジャイボに焦点当てすぎて、尺が足りてない。折角漫画「ぼくらのひかり☆くらぶ」の内容も映画に織り交ぜたのに、そことタミヤがゼラを裏切りに走る繋がりが、薄く感じた。
「ぼくらのひかり☆くらぶ」を織り交ぜたのなら、原作に表記が無くても、ちゃんとタミヤの心情を描くべきだったと思います。漫画で読むのと、映画で見るのでは、見る側の状態や感受性が異なる為、置いてけぼりくらう人が多くなります。
漫画は、「ライチ☆光クラブ」→「ぼくらのひかり☆くらぶ」の順で発売された。故に、 あぁだから、タミヤはあのような行動にでたのか・・・。 と、読者による知見で納得できます。
映画って作るの大変ですよね。そう考えると宮崎駿さんとか本当に凄いと思います。
総合的には一定の尺で、ゼラとジャイボ・カノンとライチ・タミヤとカネダとダフ、それぞれ平均的に見れたのでよかったとは思います。でも、一定の尺だからこそ、各キャラに焦点を当てるのではなく、いっそ焦点を絞って製作されたら、感動出来る作品に仕上がったと思います。
◆俳優
配役を見た当初、どうだろう・・・不安。と思ったが、映画版の配役として完成されていた。特に不安視していたのは、ジャイボ役の間宮君。
★間宮君自体、私は大好きであったが、美少女と見まごうジャイボが間宮君だと?・・・。体つきがメンバー内で一番男らしいのに、本気かよ?と思ってたのは杞憂でした。
原作通りの可愛いくも美しいジャイボではなく、妖しい美青年として確りと演じきってくれたので、とても満足でした。
★古川君はこんな役やって、後の作品に響くかないかな・・・響かないように、加減して演じてきたらイヤだな。っと思ったら、ちゃんと、ヒステリッキーで愚かなゼラを演じてくれていました。それに、間宮君より背が高くて凄いよかった。(*^v^*)
★中条あやみちゃん:美しいですよね。見た目が原作カノンそのままでした。演技の経験は、まだ少ないとは思うのですが、中条あやみとしてのオーラで、それを感じさせない演技をしてくれていました。本当に綺麗。残念だったのは、残酷歌劇のカノンが歌うま過ぎるので、私のカノンの歌へのハードルがあがった・・・これはまぁ、あやみちゃんのせいではないので、関係ないですが。
◆他、つっこみ所
・笑い点:ニコの集中線やめて。あのシーン笑うから・・・
・ライチ畑じゃなくてライチ木1本だった、しょぼい・・・
・なんかジャイボとゼラのエロシーンそこまで要らなかったんでは無いか疑惑。
・ダフのシコシコシーン長くて、会場中が変な雰囲気になった。
・グロテスクだと宣伝すべきだった、映画鑑賞時に退出される方結構いた。
・ライチがスケットダンスのスイッチ、または、チェインバーの声過ぎて、私が集中できない!(あくまで私の感想です・・・)
旧舞台 ライチ☆光クラブ(2012年代の方)
【感想】
とても好きです。ですが、おふざけが多すぎて、ストーリーと演出的には好きになれませんでした。
ただし、俳優さん凄いいい・・・。神か?!
特に、ゼラとジャイボ神か?!
キャスト:
ゼラ:木村了、ジャイボ:玉城裕規、タミヤ:中尾明慶
佐藤永典、宮下雄也、富岡晃一郎、廣瀬大介、
加藤真央、平沼紀久、オレノグラフィティ
いやね、ただの好みと贔屓だけなんですけどね、好きなんですよ。木村了さんと玉城祐規さんがね!!
木村さんの独裁者の雰囲気。玉城さんの妖しすぎて自分勝手すぎる雰囲気。
キャラにピッタリでした。
それと、DVDには収録されていなかったのですが、玉城さんがイキナリ、なんの場面でも、出番でもなく、「きゃ!」って、悲鳴を上げた時があり。やっちまった~って感じで近くにいた、ダフ?だかニコ?だかヤコブに「いや~ん」とか言って誤魔化してたり等凄い可愛くて好きでした!!
残酷歌劇 ライチ☆光クラブ
【感想】
ライチ好きならとりあえず。DVD買おうか!!
内容はおふざけがなく、完全に原作に忠実。しかも、「ぼくらのひかり☆くらぶ」まで入れてきた。けれど、各キャラの心情が読み取れる演出がされており、キャラの行動が納得の出来る作品に仕上がっていました。また、原作に忠実なだけではなく、特別に演出を加えたところも劇の雰囲気に合っていて総合的に素晴らしい作品。
①キャストの演技が素晴らしい、②カノンの歌が素晴らしい、③劇場なのにスプラッシュマウンテンが味わえるんが素晴らしい
①キャストの演技が素晴らしい
キャスト:
尾上寛之、池岡亮介、赤澤燈、味方良介、加藤諒、BOW(東京ゲゲゲイ)、MARIE(東京ゲゲゲイ)、MIKU(東京ゲゲゲイ)、YUYU(東京ゲゲゲイ)、KUMI(KUCHIBILL)、皇希、七木奏音
各演技が本当に素晴らしいのですが、代表して何名か。
★カノン:七木奏音-②カノンの歌が素晴らしい
本当にびっくりしました。凛とした美しさ。ライチに話しかけるときに、語尾を上げて少女らしさを出す演出。そして奔放に見えるようにクルクルかわる声色(舞台なので遠くからだと顔が見えない事を考えて、声色を変えて演技をしてくれる俳優さんがいますが、まさにこれでした。)
そして、歌がうますぎる。
★ゼラ:中村倫也
新生ゼラ誕生!の瞬間でした。
映画、2012年版のゼラと違い、ヒステリッキーかつ、大人になりきれないゼラを演じきっていました。
台詞と台詞の合間に入る、スッとした間の取り方、落ち着いた帝王を演じたと思いきや。想定外の事態が起こると、癇癪を起こした子供のように・早口で罵あげるように話す等、俳優の演技を見てる!と感じた瞬間でした。
★ジャイボ:吉川純広
アダルトなジャイボ誕生!醸し出すエロさ。
吉川さん凄い。え?この人、帝一の東馬でしょ?全然違うというか、俳優って怖い。っとゾワっとしました。
旧舞台の玉城さんの妖しいジャイボが大好評だったため、別の方がジャイボを演じるのは、難しいとまでされていましたが、そんなことはなかった。
吉川さん凄い。(2回目)
玉城さんのジャイボが、自分勝手で妖しいとしたら、
吉川さんのジャイボは、大人の魅力で妖艶。と形容していいと思います。それに、台詞1つ1つが丁寧。
③劇場なのにスプラッシュマウンテンが味わえるんが素晴らしい
②はカノンの項目で話したので、次③
会場のAiiA 2.5 Theater Tokyo凄い!
私の席は前から7番目で被害はありませんでしたが。
えー・・・。
スプラッシュマウンテン・・・。本気で。
前から5番目ぐらいまで絶対水被ってる。前2列はズブ濡れだよ絶対!
舞台なのに、滝の様な水量。その水が舞台にたまっている状態で、俳優が走り回る。
そのたびに
猛スピードの車が水溜りに突っ込んできて、歩道の人に水がかかる。そんな勢いで、観客席に水しぶきがあがります。
申し訳程度に、前3~4列?までビニールもらえるみたいです。それで危なくなったら自分で防いでね!!ってなってるのですが、あんなビニールじゃ防げないからw
4DX映画以上の体感を味わえました。
4DXは体感はできませんが、舞台のDVDでよろしければ観覧してみてください。
好きすぎて長くなりました、まだまだ語りたい事はありますが。
ライチは以上で〆ます。
では、また
- 作者: 古屋兎丸,東京グランギニョル「ライチ光クラブ」
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
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(後日誤字等修正予定)
今週のお題「映画の夏」